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神奈川県立近代美術館で「イスラエル美術の近代」、埼玉県立近代美術館で「イスラエル美術の現在」という展覧会が開かれている。両方見るのは大変だが、とりあえず後者を見ることができた。突出した作品には欠けるものの、総じてレヴェルは高く、とくにパレスチナ情勢が緊迫の度を増しているいま見ると、なかなか感慨深い。ユダヤ人を収容所に送った38年当時のドイツの鉄道路線図を厚いゴムに刻み込んだペニ・ヤスール(50年生)の「スクリーン」。他方、パレスチナ難民のものらしいベッドと所持品一切を50cm足らずの厚さにまで圧縮してみせたシガリット・ランダウ(69年生)の「押しつぶされた家」。シンプルな線描にゲイ・テイストを漂わせたギル・シャニ(68年生)の作品などは実にオシャレなのだが、やはりそれも兵舎を舞台としているところに、この国の現実が見て取れるだろう。この展覧会には、映画監督アモス・ギタイ(50年生)の「大衆公共住宅」(99年)という作品も含まれている。3×3台のモニターが9部屋の集合住宅のように並び、それぞれの住人が自分と家の歴史を口々に語るのだ。ギタイは、初期のドキュメンタリー「家」(80年)の頃から、さまざまな矛盾をはらんだイスラエルの現実を鋭く写し取ってきた。とくに、最新作「キップール」(2000年)は、「ヨム・キップール戦争」と呼ばれる73年の第四次中東戦争に動員されてヘリコプターで負傷兵を運んだ自らの体験を妥協なしに映画化した、並々ならぬ力作である。今年日本でも公開が予定されているが、パレスチナ情勢が緊迫しているいま、一日も早く劇場にかけてもらいたい。それ以上に、イスラエルの美術や映画と並んで、パレスチナの美術や映画もぜひ紹介されなければらならない。 |
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