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岡崎乾二郎【ブランカッチ礼拝堂壁画レイヤー式解析SWF】
 竹橋の国立近代美術館がリニューアルオープンした。
 国立近代美術館は1969年に谷口吉郎設計によって開館している。建築家谷口吉郎の、戦前のザッハリカイトの急先鋒から、戦後の藤村記念堂のようなきわめて風土的な伝統へ回帰していった軌跡は、『日本の国民建築様式とは何か』という問いに取り憑かれてきた、まさに日本の近代建築史そのものでもあった。
 旧近代美術館はその和様(土着)化された国際様式の一つの典型を示している(子息である谷口吉生が父親の設計による東京の近代美術館でなく、ニューヨークの近代美術館MOMAのリニューアル設計コンペを勝ち取ったことは 日本のナショナルスタイルの国際性を証明する出来事だったのか、あるいはMOMAの和樣化を物語るものなのか)。

 さて、リニューアルオープン記念展である。「未完の世紀―20世紀美術がのこすもの The Unfinished Century:Legacies of 20th Century Art」はまさしく国際様式との葛藤の中、いかに美術においてナショナルスタイルが生成してきたかを回顧するに最適の展覧会になっている。特に1900年代から戦中、1950年代にかけての展開は戦争画のほぼ初めての展観を含めて、必見である。
 2月26日から3月10日までは菱田春草『落葉』1909が展観される。日本絵画の国民様式はこの絵ただ一枚によって確立されたといっても過言ではない。

[編集部註]
『落葉』は現在開催中の国立東京近代美術館リニューアル展『未完の世紀―20世紀美術が残すもの』(2002年2月9日〜3月31日)において、2月26日から3月10日まで展覧される。 本テクストは同展開催にあたって、岡崎氏に「国民絵画の創出―菱田春草『落葉』」(『論座』1998年6月号初出・ 批評空間アーカイヴ収録)の前書きとして新たに書いていただいたものである。
アートスフィア灰塚2001 
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